経営者保証

【5分で分かる】経営者保証とは何かを簡単に解説します

社長の息子(後継者)「いよいよ社長を引き継ぐ時がきたな。入社した時から覚悟はしていたけど、不安も大きいな。うちの会社は銀行からの借り入れがあったよな、たしか親父が保証人になっているはずだ。いわゆる経営者保証ってやつか。社長をついだら、俺も保証人になるのかな?そもそも、経営者保証って何だろう?どうして保証しなければいけないのかな?免除されることはないのかな?」

 

このような疑問について解説します。

 

本記事の内容

・経営者保証とは

・なぜ経営者保証が求められるのか

・経営者保証は免除されないのか

 

経営者保証とは

まずは、経営者保証の意味を解説します。

 

経営者による個人保証

経営者保証とは経営者による個人保証のことです。

 

では個人保証とは何か?

個人保証とは、企業が資金を借りるときに、個人が保証人となって返済を保証することです。個人には社長等経営者だけでなく、経営に関与しない配偶者や親族も含まれます。

 

企業がお金を返せなくなった時に、債務者は保証人に返済を求めることができます。この保証があることにより、きちんと返してもらえる可能性が高まるため、貸す側は貸しやすくなるのです。

繰り返しますが、個人保証のなかでも経営者による個人保証を、経営者保証と呼びます。

 

第三者による保証

経営者保証とは経営者による個人保証と説明しました。しかし、企業がお金を借りる時は、社長の配偶者や後継者、親族等経営に直接関与していない個人が保証人になることもあります。

これら、経営者以外の個人保証は第三者による保証となります

 

企業が借り入れの返済ができないときは、経営に関与していなくても、保証人であることから返済を求められることになります。

経営者でもないのに返済の責任を負うことは、社会的にも問題視されています。

そのため第三者の保証については、借りる側も貸す側も、妥当性について慎重に検討することが求められます。

 

経営者保証の意味についての説明は、以上となります。

次は、なぜ経営者保証が求められるのかを解説します。

 

なぜ経営者保証が求められるのか

企業がお金を借りる時、どうして保証人を求められるのでしょうか。

その理由は、創業間もない企業や、上場企業に比べて規模の小さい中小企業に多く見られる3つの傾向が影響しています。

1つずつ解説していきます。

 

傾向①:法人と経営者との関係の明確な区分・分離がない

中小企業は代表者や役員が主要な株主となり、企業の意思決定のほとんどを握っている傾向があります。会社と経営者の間でお金の貸し借りをすることも簡単であり、珍しくありません。

また、企業の事務所や敷地といった経営上必要な資産が、代表者や役員の個人名義となっているケースも多いでしょう。

 

そして、主要株主である代表者は、役員報酬や配当金の額も法律の範囲内で自由に決めることができます。

つまり、会社と経営者との間で資金のやりとりや資産が明確に区分・分離されていないと言えます。

 

これらは、お金を貸す側にとっては不都合なことです。

 

なぜなら、貸したお金が代表者等への貸付や、株主への配当に使われてしまう可能性が考えられるからです。

貸したお金の返済に支障がでるかもしれません。

 

また、事業用必要な資産である事務所や敷地が売却されてしまったら事業継続が難しくなって、返済ができなくなる可能性も考えられます。

 

これらの事態を防ぐために、経営者保証が求められるのです。

 

代表者や役員等の経営者が保証人になっていれば、企業が返済できなければ保証人が返済しなくてはいけないため、上記のような資金のやり取りにはブレーキがかかるでしょう。

また、事業用必要な資産を売却してしまったら、事業継続が難しくなります。事業継続できず資金が底をつけば、保証人が返済をしなければいけない事態になるため、売却を思いとどまるのではないでしょうか。

 

傾向②:財務基盤が弱い

財務基盤が弱いとは、簡単に言ってしまえば次の2点です。

①事業から生み出す利益・キャッシュでは借入の返済が困難であること

②企業が保有する資産で借入の返済をすることが困難であること

 

これらも、お金を貸す側にとっては不都合なことです。

 

事業用に借りたお金は、通常は事業から生み出す資金で返済するため、資金が生まれなければ返済は難しくなります。業績が落ち込んで利益が出ないこともあるでしょう。

利益が出ていなくても、返済に回せる資金や資産があれば良いですが、それもなければ借りたお金が返せなくなってしまいます。

 

これらの事態に備えるためにも、経営者保証が求められるのです。

 

保証人に資金があれば、会社への増資や貸付等の資金援助で返済を支えることができます。また、保証人に資金がなくても不動産等の財産があれば売却して資金を作ることもできるでしょう。

 

保証人になっていれば、会社が返済できないときは自分たちが返済しなければいけないため、会社に援助をするだろうと貸す側は考えます。

 

よって、財務基盤が弱い企業がお金を借りる時には、経営者保証が求められるのです。

 

傾向③:財務状況の正確な把握ができず、適時適切な情報開示等がない

上場企業であれば、有価証券報告書によって外部に対して財務状況や経営状況が開示され、公認会計士や監査法人のチェックも受けています。虚偽の記載があれば罰則を受け、財務状況が悪化すれば上場廃止になることもあるでしょう。経営の透明性について、一定の担保はなされていると言えます。

 

しかし、中小企業については、税理士や会計士のチェックを受けることはあっても、財務状況や経営状況を外部に開示するケースは限られるのではないでしょうか。

 

借入をする金融機関に年度の決算書を開示したり、求められれば試算表や資金繰り表を提出するといった対応が大半でしょう。

 

なかには、試算表や資金繰り表を作成していない企業もめずらしくありません。

 

また、事業計画や業績の見通しについても、返済能力が維持されているかどうかの判断のため把握したいところです。しかし、事業計画を策定し、業績の見通しについて金融機関に定期的に開示している中小企業は少ないのが現状です。

 

これらも、お金を貸す側にとっては不都合なことです。

 

財務状況が把握できなければ、お金を貸す側として不安があります。年度の決算書で報告を受けていても、1年間で企業の財務状況は大きく変わることもあります。

 

試算表や資金繰り表で定期的に財務状況の把握ができれば、現状の返済能力に関する不安が軽減されます。

事業計画や業績の見通しについて定期的に開示があれば、将来の返済能力に関する不安が軽減されます。

 

 

財務状況の正確な把握ができず、適時適切な情報開示等が不十分な場合は、経営者保証によって不安を軽減しようとします。

 

以上、なぜ経営者保証が求められるのかを解説しました。

最後に、経営者保証が免除される要件について解説します。

 

経営者保証は免除されないのか

経営者保証が求められる理由について分かりましたか?

ここまで記事を読まれたなら、気づいているかもしれませんが、経営者保証が免除されるケースもあります。

 

そうです、先ほどの3つの傾向があるために経営者保証が求められるのであれば、その傾向の逆の状態になればよいのです。

 

①法人と経営者との関係の明確な区分・分離を図る

②財務基盤を強くする

③貸す側が財務状況の正確な把握ができるように努め、適時適切な情報開示等を行い信頼関係を強化する

 

これらを満たすことが、経営者保証なしで融資を受けることができる目安となります。また、既に保証人になっていたとしても、保証解除を交渉する根拠になります。

 

とはいえ、中小企業で上記をすべて満たす企業は少ないでしょう。

 

現状ですべて満たさなくても、将来的に要件を満たすように取組みをしていれば、取り組みを勘案して経営者保証が免除されることもあります。

 

 

以上、経営者保証についての解説でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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