中小企業診断士

【中小企業診断士】独学による2次試験攻略法

 

1次試験に合格した受験生「1次試験に合格できた。この調子で2次試験も突破したいけど、1次試験に集中してて、2次試験対策はしてなかったな。2次試験って作文の試験だっけ?難しそうだけど、どんな勉強をすれば合格できるのかな?いつまでに何をすればいいんだろう…。参考書はどうしよう…。」

 

このような疑問に答えます。

 

 

本記事の内容

・2次試験の概要

・学習スケジュールの立て方【108事例を目安に】

・使用する参考書【ふぞろいを信じる】

・具体的な2次試験勉強の方法【独学はひたすら過去問に専念】

 

この記事を書く私は、中小企業診断士試験を独学・ストレートで合格。

2次試験の勉強時間は約300時間。成績はAAAA(270点)で合格しました。

 

なお、本記事は私の経験にもとづいて書いているため、1次試験合格後に、初めて2次試験を受験することを想定して書いています。

長い記事になりますが、2次筆記試験の勉強方法について具体的に詳しく書いたつもりですので、最後までお読みいただければ幸いです。

 

2次試験の概要

 

二次試験の概要について解説しますが、「知ってるよ」という方は読み飛ばして下さい。

 

以下は、中小企業診断士試験公式サイトの二次試験案内からの抜粋です。

 

 

第2次試験は、「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」に基づき、中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、中小企業の診断及び助言に関する実務の事例並びに助言に関する能力について、短答式又は論文式による筆記及び口述の方法により行います。
⑴ 筆記試験
 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例について、筆記の方法により実施します。
⑵ 口述試験
 筆記試験において相当の成績を修めた方を対象に、口述の方法により実施します。

 

簡単に言うと

「中小企業診断士として、中小企業に対して診断や助言を行う能力があるかを、論文試験と面接試験で判断します」

といったところでしょうか。

 

筆記試験の問題を見てみましょう。以下は令和元年の試験事例Ⅰの抜粋です。

 

 

A 社は、資本金 8,000 万円、売上高約 11 億円の農業用機械や産業機械装置を製造する中小メーカーである。縁戚関係にある 8 名の役員を擁する同社の本社は、A 社長の祖父が創業した当初から地方の農村部にある。二代目の長男が現代表取締役のA 社長で、副社長には数歳年下の弟が、そして専務にはほぼ同年代のいとこが就いており、この 3 人で経営を担っている。全国に 7 つの営業所を構える A 社は、若い経営トップとともに総勢約 80 名の社員が事業の拡大に取り組んでいる。そのほとんどは正規社員である。2000 年代後半に父から事業を譲り受けた A 社長は、1990 年代半ば、大学卒業後の海外留学中に父が病気となったために急きょ呼び戻されると、そのまま A 社に就職することになった。

(以下省略)

 

上記が「与件文」と呼ばれる事例企業の説明文です。この「与件文」を踏まえて以下のような設問に答えていきます。

 

 

第1問(配点 20 点)
A 社長がトップに就任する以前の A 社は、苦境を打破するために、自社製品のメンテナンスの事業化に取り組んできた。それが結果的にビジネスとして成功しなかった最大の理由は何か。100 字以内で答えよ。

 

上記の通り、選択問題であった1次試験とは全く別物であり、中小企業の診断及び助言に関する実務能力を文章で示す試験です。

2次試験独特の解答手順に慣れることが必要であり、1次試験とは頭を切り替えて臨むことになります。

 

4つの事例が出題され、それぞれ異なる中小企業に対する診断及び助言を文章で解答します。事例Ⅳは計算問題が多く出題される点が、事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲとは大きく異なっています。

 

口述試験は合格率ほぼ100%の試験なので、この筆記試験が実質は最後の難関です。

 

概要の次は、2次筆記試験に向けての学習スケジュールの立て方について解説します。

 

学習スケジュールの立て方【108事例を目安に】

以下、スケジュールの立て方について解説します。

 

①筆記試験日までに確保できる学習時間を把握する

②いつまでに何をやるかを決める

③スケジュール通り進まなければ早めに軌道修正する

 

①筆記試験日までに確保できる学習時間を把握する

1次試験後、2次試験の勉強をスタートする日から、2次筆記試験前日までの日を数えます。そして、自分が1日に確保できる勉強時間(土日も含めた平均時間です)をかけることで、筆記試験日までに確保できるおおよその時間が計算できます。

例えば、2次試験前日までの日数は75日、土日も含めた1日の勉強時間を4時間としましょう

75×4時間=300時間

 

これで確保できる勉強時間の把握ができました。次はいつまでに何をやるかを決めます。

 

②いつまでに何をやるかを決める

次は勉強の内訳を決めましょう。

詳細は後ほど解説しますが、2次筆記試験の学習は過去問の取組みが中心です。過去問に大半の時間を費やすことになるので、過去問の学習時間を最初に考えましょう。

1つの事例につき試験時間は80分なので、過去問を1事例解くの80分かかると想定します。

そして過去問は最低3回は繰り返し解くことをオススメします(これも理由は後ほど)。

過去問を9年分取り組むとすると

 

80分×4事例×9年分×3回=80分×108事例=8,640分=144時間

 

これは純粋に問題を解くだけの時間です。別途採点や参考書の解説を読む時間等が必要となるため、1.5倍の余裕をみます。

 

144時間×1.5=216時間

2次筆記まで勉強時間を300時間確保できる場合、十分に上記の過去問がこなせることが分かりました。

なお、事例Ⅳの財務・会計については、過去問取り組みだけでは不十分なので、別途参考書で補強する必要があります。その補強する時間を加味すると、最低でも250時間くらいは確保したいところです。

よって、2次筆記試験までに確保できる時間が250時間より少ない場合は、取り組む過去問の年数を減らして調整しましょう。

 

2次筆記試験までの75日間に108事例を解くと決めたら、25日目までに36事例、50日目までに72事例というように日数で細分化してスケジュールに書き込みます。財務・会計の補強学習はその合間に取り組んでいきます。

ここまで決めたら後はスケジュール通り勉強を進めるのみです。

 

③スケジュール通り進まなければ早めに軌道修正する

学習を進めていくうえで、当初のスケジュール通りに進めば問題ないですが、進捗が遅れる場合は軌道修正が必要です。

1週間くらいの頻度でスケジュールの進捗を確認し、遅れているようならスピードアップを意識して遅れを取り戻すようにしましょう。

 

「当初に計画していたほど、勉強時間が確保できなくなってしまった」等、計画通りに学習を進めることが難しい状況になった場合は、今後の学習スケジュールを見直すことも必要です。

 

取り組む過去問の数を減らしたりして、柔軟にスケジュールを変更しましょう。

 

スケジュール変更のときは、優先順位を考えて、筆記試験日までに絶対やることと、思い切って削ることを明確にする必要があります。

 

例えば、「事例Ⅳはまだ不安だから、財務・会計の問題集は絶対やり切ろう」とか「過去問9年分取り組むのは難しそうだから7年分に減らすけど、3回転は必ずやろう」とかです。

 

次は、参考書・勉強道具を紹介します。

 

使用する参考書【ふぞろいを信じる】

2次筆記試験の対策に使用する参考書は、「ふぞろいな合格答案シリーズ」「集中特訓 財務・会計 計算問題集」がオススメです。まだ手に入れてないなら、すぐにネットで探しましょう。ふぞろいシリーズを手に入れないと、過去問の学習が始められません。

ふぞろいな合格答案プロジェクトチーム (著)

 

ふぞろいな合格答案シリーズは、取り組む過去問の年数によって必要なシリーズが違います。例えば、上記の「ふぞろいな合格答案12」は2019年版、つまり2018年の試験問題に対応しています。この選び方については下記記事に詳しく載せています。

スケジュール作成のパートでも触れた通り、事例Ⅳの財務・会計に関しては、過去問に取り組むだけでは対策が不十分なため、別途補強する参考書が必要です。上記参考書をオススメします。このオススメする理由についても下記記事に載せました。

 

ご参照
【中小企業診断士】独学合格にオススメなテキスト6選

  診断士試験の受験生「独学で勉強するために、まずは参考書をそろえなきゃ。自分に合わないの選んで失敗したくないから、万人受けするものがいいな。あと、まずは1次試験の分を手に入れたら勉強スター ...

続きを見る

 

ちなみに、過去の試験問題と解答用紙は、中小企業診断士の受験期間であるAAS様のホームページでダウンロードできます。

 

次は、過去問の取組みを中心とした、具体的な二次筆記試験の勉強方法を解説します。

 

具体的な二次試験勉強の方法【独学はひたすら過去問に専念】

これから紹介するのは、私が実際に行った2次筆記試験の勉強方法です。

 

①過去問を解く

②ふぞろいな合格答案で採点する

③ふぞろいな合格答案の解説を読む

④ふぞろいな合格答案の模範解答を写経

⑤財務・会計の計算問題を解く

このサイクルを繰り返します。

 

細かく解説していきます。

 

①過去問を解く

2次試験に最も効果的な対策は、過去問を解くことです。

試験本番と同じように、80分の時間制限で実際に問題を解いてみましょう。

解く手順と時間配分は以下を参考にしてみてください。

4事例をいっきに解くのではなく、1事例ずつ解いていきます。

 

①設問を読む(5分)

問題用紙は事例企業の説明文である与件文から始まりますが、飛ばして先に設問を読みます。

これは、どのようなことが問われるかを頭に入れたうえで、与件文を読むためです。設問の内容を意識することで、与件文の中の設問に関わる重要なポイントに気づきやすくなります。

 

②与件文を読む(15分)

設問に目を通した後は、与件文を読み始めます。

読みながら、設問に関する重要な箇所にはマーク等しておくと、後で見つけやすくなります。蛍光ペンを使って色分けしてマークする等、人それぞれ工夫をするようです。

参考までに、私は色分けはせずに、シャープペン単色でマークしました。理由は色分けすると時間がかかるからです。また、マークの方法も文章に下線を引く方法です。

ただ、色分けせずに下線だけでマークすると、同じ下線のマークだらけで混乱するのが難点です。

これを防ぐために、重要と感じた文章がSWOTに関する記述かなと思ったら、下線だけでなくSWOTの1文字を入れて区別しやすく工夫しました。

 

③解答を書く(40~60分)

与件文を読み終えたら、いよいよ解答用紙を埋めていきます。

ここで注意したいのが、難しい問題に時間を取られないようにすることです

 

問題ごとに難易度や答えやすさが違ったりするので、ペース配分が重要になります。難しい問題に時間をとられて、他の問題を解く時間が無くなるのは痛いですから。

事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲについては、基本は順番に解いていって、解答が浮かばなければ、飛ばして次の問題を解くのが良いでしょう。

事例Ⅳについては、最初に問題文や与件文を読んだ段階で、難しそうな問題や時間がかかりそうな問題が分かります。問題の順番にこだわらず、解きやすそうな問題から始めたほうがいいでしょう。

 

最初は、満足に解答欄を埋めることができないかもしれませんが、気にしないで下さい。過去問を繰り返していくうちに少しずつ解答が書けるようになっていきます。

 

私は、初めて過去問を解いた時、80分間で1文字も書けなくて呆然としたくらいです。

そんな私でも合格できました。

 

なお、解答を書く時間が40~60分になっているのは、徐々にスピードアップを意識すべきだからです。

過去問1周目、つまり初めて解く事例は60分かかったとしても、2周目は50分、3週目は40分と短縮することを心掛けて下さい。同じ問題を2回目3回目と解くのであれば、解答や与件文の内容が記憶に残っており、解答にかかる時間も短くなるはずです。

2次試験本番の試験問題は、当然初めて見る問題です。初見の問題でも、制限時間以内に解答を埋め、なおかつ見直しする時間も確保できるようになるのが理想です。

過去問3週目からは、試験時間80分のところを60分で解くという負荷をかけることで、試験本番の余裕に繋がります。

 

②ふぞろいな合格答案で採点する

80分間経過したら、解答が書けていなくても一旦終了し、ふぞろいな合格答案の答案分析を参考に採点します。

ふぞろいな合格答案は、解答に含まれるキーワードに点数を付けているので、自分の解答にそのキーワードが含まれていれば加点し、合計点数を算出します。合計点数が60点を超えていれば、合格基準となります。

最初のうちは、40点未満のひどい点数が続くかもしれませんが、気にしないで下さい

過去問が2周目に入るころには、60点以上の点数が取れるようになります。3周目に入るころには、80点が取れるようになるでしょう。

得点が伸びることで、自信がついてきます。

 

「何度も同じ問題を解けば、解答を覚えているので、高得点が取れて当然だろう」

と思うかもしれません。

 

たしかに、多少解答を覚えている部分もあるかもしれませんが、何年分かの事例を解き、1周する頃には事例企業の内容は結構忘れています。事実、解答キーワードも切り口も前回解いた時とは違ってきます。

それでも、前に解いたときよりも、得点は伸びる傾向にある。それは、解答を覚えていたからではなく、過去問を解き続けたことによる経験値が蓄積されるからです。

過去問を1周2周3周とこなすことにより、解答欄の書き方、切り口やキーワードが思い浮かぶ量など、2次筆記試験に必要な能力が鍛えられていきます。

 

③ふぞろいな合格答案の解説を読む

採点が終わったら、ふぞろいな合格答案の問題ごとの解説を読みましょう。解答のポイントや切り口等の解説が載っており、とても参考にります。

また、架空の登場人物が会話する形式で解説しているため、くだけた柔らかい文章になっており、過去問取り組みで疲れた頭でも読みやすくなっています。私は、息抜き感覚でも読んでいました。

 

④ふぞろいな合格答案の模範解答を写経

解説を読んだ後は、ふぞろいな合格答案に掲載されている模範解答や合格答案を解答用紙に書き写します。

解答キーワードを覚えるだけでなく、文章の構成や箇条書きの使い方等、論理的な文章を書く練習にもなります。

この練習のために、1つの事例を解くときは、解答用紙は2部用意しましょう。

 

⑤財務・会計の計算問題を解く

事例Ⅳの財務・会計については、計算問題が多く反復練習が重要になります。

そのため、過去問を解くだけでは不十分であり、財務・会計の問題集等で補強しましょう。

1事例を解いた後に、財務の計算問題を1問解くなど、計算に慣れるようにしてあまり間を空けないのがコツです。

 

事例Ⅳの財務・会計は得意・不得意の人の得点差が出やすい傾向があります。また、計算問題に慣れることで、得点が伸びやすいという特徴もあります。

もともと得意な方は、得点源にして他の事例の点数をカバーできるようにしましょう。

苦手な方は、足切りを回避するためにも苦手意識を克服することが大事です。

 

 

長々と書きましたが、以上となります。ちなみに、筆記試験の後の口述試験については、合格率が毎年100%近いため触れていません。

まずは、筆記試験の対策に集中しましょう。以下に簡単に記事をまとめます。

 

①筆記試験本番までに確保できる勉強時間を把握し、学習計画を立てよう

②取り組む過去問の年度に対応したふぞろいシリーズを用意

③後は、ひたすら過去問と計算問題を繰り返す

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

 

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