診断士試験の受験者「中小企業診断士を独学で合格するには、勉強時間はどれくらい必要なんだろう?なるべく短時間で合格できればそれに越したことはないけど…。人によって必要な勉強時間は違うのかな?合格者の具体的な勉強時間が詳しく知りたいな。」
このような疑問に答えます。
本記事の内容
・必要な勉強時間には個人差がある
・無理に短い勉強時間で合格しようとしない
・独学での勉強時間具体例
この記事を書く私は、中小企業診断士試験を独学・ストレートで合格。
勉強期間は約1年であり、時間は1,400時間ほど。1次試験は455点、2次試験はAAAA(270点)で合格しました。
中小企業診断士試験の合格に必要な、勉強時間について解説します。
必要な勉強時間には個人差がある
合格に必要な勉強時間には個人差があります。
人によって、既に持っている知識や学習の理解力は違いますし、勉強方法や学習環境も違うからです。
個人差があることをふまえて、自分は合格までにどれくらい時間が必要なのかを考えることは、学習をイメージするのに役立つため解説します。
平均的な学習時間は1,000~1,300時間
統計データや予備校の資料から、1,000~1,300時間が合格者の平均的な学習時間と言えます。
学習スケジュールを考える時は、1,000~1,300時間を1つの目安とすれば良いでしょう。
学習スケジュールの立て方については、以下の記事で詳しく紹介しています。
良ければご覧ください。
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【中小企業診断士】独学合格するための学習スケジュールの作成法
診断士試験の受験者「独学で挑戦することに決めたけど、何時間くらい学習すれば合格できるのかな?やみくもに勉強してもダメそうだけど、どうやってスケジュールを組めばいいんだろ?具体的な学習の進 ...
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学習時間を左右する要因とは
例えば、以下のような要因が考えられます。
①既に持っている知識や経験
②免除科目
③計算や数字が苦手である
④暗記が苦手である
①既に持っている知識や経験
1次試験の科目の中で、自身の専門分野や既に学んだことのある科目がある場合、合格に必要な勉強時間は少なくなるでしょう。
例えば、職業がIT関係で経営情報システムは得意であれば、ほとんど勉強しなくても合格点が取れるかもしれません。
また、職種が経理で財務・会計が得意な人であれば、1次試験も2次試験も人に比べて短い勉強時間で済むかもしれません。
上記のように、既に持っている知識や経験によって、合格に必要な勉強時間は変わってきます。
②科目免除
中小企業診断士の1次試験は、他資格等の保有による科目免除があります。
例えば、公認会計士試験合格者であれば、経済学・経済政策及び財務・会計の2科目が免除されます。
また、特定の情報処理技術試験合格者であれば、情報システムが免除される等、これら科目免除に該当する場合1次試験の勉強時間が少なくて済みます。
③計算や数字が苦手である
上記とは変わり、勉強時間が人より長くなるケースもあります。
中小企業診断士試験では、1次試験及び2次試験の財務・会計で計算問題が多く出題されます。
計算や数字に苦手意識がある人は、克服するためより勉強時間をかける必要があるでしょう。
④暗記が苦手である
これも、人より勉強時間が必要となるケースです。
1次試験の科目で、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策は暗記3科目と呼ばれます。
暗記3科目の名の通り、法律やIT用語、中小企業の定義や経済白書の数値等暗記が必要な問題のオンパレードであるため、暗記が苦手な人は覚えるのに時間がかかることが予想されます。
合格者の平均的な学習時間は1,000~1,300時間であるものの、人によって差があることが分かりましたか?
勉強を始めてみたら、思ったより理解するのに時間がかかったり、暗記や計算問題にてこずったりします。
そのため、無理に短い勉強時間で合格しようと思わず、余裕をもった勉強時間を確保することが大切です。
次は、無理に短い勉強時間で合格しようとしない方が良い理由を解説します。
無理に短い勉強時間で合格しようとしない
短い勉強時間で合格できれば素晴らしいですが、誰でもできるわけではありません。
「急がば回れ」という言葉がありますよね。
無理に短い勉強時間で合格しようしない方が良いです。理由は以下の通りです。
①そもそも短時間合格は難しい
②短時間で合格を目指すにはリスクがある
①そもそも短時間合格は難しい
中小企業診断士試験は1次試験で7科目、2次試験4科目と試験範囲は広く、覚えることが多い試験です。
「250時間で合格した」という人の話も聞きますが、非常にレアなケースです。
500時間未満で合格した人は、免除科目があったり、資格キラーと言えるほど資格の勉強に慣れていたり、そうそう真似できない特殊要因が重なっていることが多いです。
また、短時間で合格した人は、合格基準ギリギリの得点で合格した人が多い印象です。1次試験も2次試験も高得点で合格している人は、それなりに勉強時間を確保しているのではないでしょうか。
②短時間で合格を目指すにはリスクがある
試験範囲が広いと、要点を絞って勉強しても、時間がかかります。専門用語の意味や計算問題の解き方等、繰り返し学習することで知識が定着していくため、合格する実力がつくまで一定の時間は必要です。
短時間合格を目指すとなると、学習時間が足りず、合格に必要な最低限の知識が身に付くかどうかでしょう。
また、合格基準ギリギリの実力で試験本番に挑んだ場合、不得意な問題が多く出題されたり、緊張で普段通りの実力が発揮できなかった時に不合格になってしまいます。
せっかく勉強したのに、ギリギリで不合格になってしまったら悔しいですよね?もっと時間をかけて勉強しておけば良かったと後悔するでしょう。
そのリスクを避けるためにも、合格基準が60%であれば70%での合格を目指すくらい、余裕をもった勉強時間を確保して実力をつけることをオススメします。
独学での勉強時間具体例
最後に、私が合格までに要した勉強時間を紹介します。勉強期間は約1年です。
【1次試験】企業経営理論
テキストでのインプット学習・問題集でのアウトプット学習 63時間
復習※ 24.5時間
63時間+24.5時間=87.5時間
※1次試験7科目のうち、最初の方に学習した科目については忘れるのを防ぐため、問題集を解くなど毎月少しずつ復習をしていました。
【1次試験】財務・会計
テキストでのインプット学習・問題集でのアウトプット学習 54.25時間
復習 26.25時間
54.25時間+26.25時間=80.5時間
【1次試験】運営管理
テキストでのインプット学習・問題集でのアウトプット学習 70時間
復習 13.75時間
70時間+13.75時間=83.75時間
【1次試験】経済学・経済政策
テキストでのインプット学習・問題集でのアウトプット学習 81.25時間
復習 5時間
81.25時間+5時間=86.25時間
【1次試験】経営法務
テキストでのインプット学習・問題集でのアウトプット学習 72.5時間
復習 3時間
72.5時間+3時間=75.5時間
【1次試験】経営情報システム
テキストでのインプット学習・問題集でのアウトプット学習 72時間
復習 0時間
72時間+0時間=72時間
【1次試験】中小企業経営・中小企業政策
テキストでのインプット学習・問題集でのアウトプット学習 73.5時間
復習 0時間
73.5時間+0時間=73.5時間
【1次試験】過去問題
過去問題5年分×4回 513時間
【2次試験】過去問題
過去問題9年分×3回 314.5時間
1次試験は、過去問取り組みを含めて1,072時間勉強しました。2次試験は314.5時間なので、総勉強時間は1386.5時間でした。
勉強開始当初は1,300時間を目標にしていましたが、実際の勉強時間は1,400時間近くなりました。
これだけ勉強時間を確保したおかげで、1次試験は420点合格のところを455点で合格できました。
また、2次試験は240点合格のところを270点で合格できました。
飛びぬけて高得点というわけではありませんが、ある程度余裕をもって合格できたと思います。
以上、中小企業診断士の試験に独学合格するために必要な勉強時間の解説でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今後の学習の参考にしていただければ、幸いです。